【法律改正】国民年金法等の改正法案が可決・成立しました。

2012-08-21

国会に提出されていた「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」が、8月10日の参院本会議で可決、成立しました。法律案の概要については、こちら をご覧になって下さい。

また、法律案の要綱については、以下のとおりとなっています。

第一 改正の趣旨
公的年金制度の最低保障機能の強化のため、低所得者等の老齢基礎年金等の額の加算、高所得者の老齢基礎年金の支給停止及び受給資格期間の短縮を行うとともに、産前産後休業期間中の厚生年金保険の保険料免除、短時間労働者への厚生年金保険の適用拡大等の所要の措置を講ずるほか、基礎年金の国庫負担割合を2分の1とするための安定した財源の確保が図られる年度を定める等の所要の措置を講ずること。

第二 国民年金法の一部改正
一 受給資格期間の短縮
老齢基礎年金の受給資格期間を25年から10年に短縮するものとすること。

二 老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金の額の加算
被保険者及び被保険者であった者の所得の分布状況等を勘案して政令で定める基準に該当する受給権者は、老齢基礎年金の額の加算に係る特例の請求をできるものとし、請求した月の翌月から翌年の7月までの月分の老齢基礎年金の額は、7万2千円に改定率を乗じて得た額と保険料免除期間の月数に応じた額を合算した額を加算したものとすること。障害基礎年金及び遺族基礎年金についてもこれに準じた特例の請求をできるものとすること。

三 老齢基礎年金の高額所得による支給停止
1 受給権者の所得が、平均的な所得に比して高額な所得に相当する一定の金額を超えるときは、老齢基礎年金の額の2分の1を上限に、老齢基礎年金の支給を停止するものとすること。
2 1の支給停止は、受給権者が震災等により損害を受けた場合又は失業等の事由により所得の減少が見込まれる場合等に該当するときは、行わないものとすること。

四 遺族基礎年金の支給対象の拡大
遺族基礎年金について、被保険者又は被保険者であった者の子のある配偶者又は子に支給するものとすること。

五 その他所要の改正

第三 厚生年金保険法の一部改正
一 短時間労働者への適用拡大
1週間の労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であるもの又は1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満であるもののうち、次の1から4までの要件に該当するものは、厚生年金保険の被保険者であるものとすること。
1 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
2 当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること。
3 報酬(最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するものを除く。)の月額が8万8千円以上であること。
4 学生等でないこと。

なお、短時間労働者への適用拡大に関する厚生労働省の資料が発表されていますので、こちら をご覧になって下さい。

二 受給資格期間の短縮
第二の一に準じた改正を行うこと。

三 産前産後休業期間中の保険料免除
産前産後休業期間について、申出により、事業主及び被保険者の保険料を免除するものとすること。

四 その他所要の改正

第四 国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正
一 特定年度の定め
基礎年金の国庫負担割合2分の1を維持するための所要の安定した財源の確保が図られる年度を平成26年度とすること。

第五 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律の一部改正
年金交付国債については、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律の公布の日から発行できるものとすること。

第六 関係法律の一部改正
一 私立学校教職員共済法及び健康保険法について、第三の一に準じた改正を行うこと。
二 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法について、第三の二及び四に準じた改正を行うこと。
三 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、健康保険法及び船員保険法について、第三の三に準じた改正を行うこと。
四 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律及び私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律について、第四の一に準じた改正を行うこと。
五 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律及び私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律について、第四の二に準じた改正を行うこと。
六 高齢者の医療の確保に関する法律について、短時間労働者など賃金が低い加入者が多いことからその保険料負担が重い医療保険者に対し、その負担を軽減する観点から、賃金が低い加入者の後期高齢者支援金の負担に関して被用者保険間で広く分かち合う特例措置を導入し、短時間労働者への健康保険の適用拡大によって生じる保険者の負担を緩和するものとすること。
七 介護保険法について、介護納付金に関し、六に準じた改正を行うこと。

第七 施行期日
この法律は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日から施行するものとすること。ただし、次に掲げる事項は、それぞれ次に定める日から施行するものとすること。
一 第四の一及び第六の四 この法律の公布の日
二 第五 この法律の公布の日又は社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律の公布の日のいずれか遅い日
三 第二の四、第四の二及び第六の五 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律の施行の日
四 第二の五、第三の三及び四並びに第六の二(第三の四に準じた改正に係る部分に限る。)及び三 公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日
五 第三の一並びに第六の一、六及び七 平成28年4月1日

第八 検討等
一 政府は、この法律の施行後3年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、基礎年金の最低保障機能の強化その他の事項について総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
二 政府は、短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲を更に拡大する旨の規定について、平成31年9月31日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとすること。

第九 経過措置等
一 経過措置
1 当分の間、通常の労働者及びこれに準ずる者を常時500人を超えて使用する事業主以外の事業主に使用される70歳未満の者であって、1週間の労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であるもの又は1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満であるものについては、厚生年金保険の被保険者としないものとすること。
2 その他所要の経過措置を設けること。

二 関係法律の整備
その他関係法律について、所要の改正を行うこと。

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