Prev » Next «

パートタイマーに退職金

 スーパーマーケットを経営しているA社の事例です。

 勤続10年になるパートタイマーの川村さんは、親の介護が必要になり急遽仕事を辞めることになりました。就業規則には「退職金は、5年以上継続して勤務した者に支給する」となっていたため、川村さんは退職金を介護資金として使おうと考えていました。

「社長、長い間お世話になりました。」

「川村さん、こちらこそ本当にありがとう。介護は大変だろうけど頑張って!」

「ありがとうございます。ところで社長、私は10年働いたのですが退職金はいくらくらい頂けるのでしょうか?」

「え? 退職金は、申し訳ないけれど正社員にしか出ないよ。これまでもアルバイトやパートさんには退職金を払ったことないし。」

「確かに、私以外のパートさんは1年もしないうちに辞めていく人が多かったですから分かりますけど、私は10年間も働いたのですから・・。それに就業規則にパートタイマーには退職金を支払わないってどこにも書いていませんでしたよ。」

「いや、そんなこと言われても・・・。」

最後まで会社から退職金を支払うとの返事をもらえなかった川村さんは、納得がいかなかったため、労働基準監督署に相談に行き、その結果、この会社は100万円もの退職金を支払うことになりました。

これも、きちんと就業規則に定めておけば防げた問題です。せっかく10年間も会社のために頑張ってくれた従業員がこのような形で退職するというのは、何とも悲しいことです。

日頃、従業員とのトラブルがないときは就業規則の重要性が分かりにくいものですが、事例のようにいったん問題が起きてしまうと、余計な出費がかさむだけでなく、解決のために無駄な労力と時間を使うことになり、更には従業員の信用さえ失ってしまうこともあるのです。  

Copyright(c) 社会保険労務士法人オスピス All Rights Reserved.